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無題⑥

 続きだわさ。
何だか、言い回しがおかしかったり、言葉が足りなかったりの文章になってます。
ただ今は、早く終わらせたい。とっとと書き終えたい。れだけです。

 では!!

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 「ただいまーっ」 
 いつもと同じ声で言えただろうか。いつもと同じ自分のままでいれるだろうか。いつもと・・・。そんなことを考え俺は、玄関から上がることができずにいた。
「このままじゃまずい」そう思って、靴を脱ぎとりあえず部屋へ・・・そう思ったときである。
「仁、お前泳ぐの辞めたんだって?どうしてだい?あんなに水泳だけは続けたいって言ってたのに」
 義母さんは俺の帰りを待ってましたとばかりに小走りにやってきて、心配した口調でまくしたてた。あまりの口の速さと、情報の伝達の早さに圧倒され、その場から立ち去りたくなった。その時、救いの電話がなった。
「か、義母さん、電話・・・」
 義母さんの意識を電話に向け、後ろを振り向いたその隙に俺はその場を立ち去ろうとした。
「私が出る」
 奥から敏子が現れ、受話器を取った。俺は急いで部屋へ向かおうとした。
「あ、ちょっと、仁。まだ終わってないわ」
 義母さんの呼びかけなど聞く余地もなく、
「義母さん、敏子が電話中だから、しーっ」
 ごまかして去ろうとした。
「お義兄ちゃん、電話。女の人から」
 その言葉に義母さんは「ははーん」と妙な笑みを残しながらその場を立ち去り、台所へと消えていった。
「あ、ちょっと、ねえ、違うよ、勘違い・・・」
 まったく聞いてくれなかった。別の視線に気付き見ると敏子がニヤニヤと笑って、やはり同じように去っていった。
「おい、敏子、お前まで・・・」
ひとり取り残された俺は、幸か不幸か取りあえず現状打破できたことに感謝しつつ、受話器を取った。 
「もしもし?」
 電話の相手は河崎浩子だった。彼女はただ自分の言いたいことだけを早口で話すと、俺の返事も聞かずに、「明日の二時、駅前の歩道橋の上で」とそこだけを繰り返し、勝手に電話を切った。
「おい、こら、ちょっと待て、そんなこと勝手に・・・」
 ツーツーという信号音にため息をつき、
「なんだよ、まったく!」
 受話器に向かってそう言ったまま俺は、溢れる感情を抑えきれず口元を緩ませた。
「明日二時、歩道橋で・・・か・・・一泊旅行だって・・・」
 そう呟きながら俺は受話器を両手で置いた。
「不純な理由だね。まったく」
 義母さんのその声に俺は、ハッと我に返った。後ろを振り向くと台所からふたつの顔がニタニタと意味ありげにこちらを眺めていた。俺はただ愛想笑いをしてそそくさとその場を立ち去った。

 「明日、どうしてもあなたを連れて行きたい場所があるの。二時に駅前の歩道橋の上に来て。それから、多分明日中に帰ってこれないと思うから、その心積もりと準備はしておいてね。お金も少しいるわ。家の人にはうまく言っておくのよ。わかった?じゃぁ、明日の二時駅前の歩道橋の上で」

 
 「待った?」
「いや」
 今の時間、二時三十分。こんな時間に来て「待った?」はねえだろう。まったく・・・。そういえない自分が腹立たしかった。
「行くわよ」
 河崎浩子が急に俺の手を引っ張り駅へと向かった。
「おっ、おい!そんなに引っ張られなくても自分で歩けるよ」 
 彼女に導かれるまま、数時間列車に揺られ、いくらか歩き、すっかり日が暮れる頃、小さな空き家に着いた。
「ここは?」
「あなたが一番よく知ってるはずでしょ?わからないの?」
 おもむろにそう言われ、少々引いたが、
「うーん、知っているような、知らないような・・・」
 率直に答えた。
「はぁ?」
 河崎浩子は少々呆れた感じで「まぁいいわ」と呟きその敷地内にさっさと入っていった。
「おい、いいのか?勝手に?」
 俺はこの空き家が一体なんなのか、なぜこんなところまで連れてこられたのか、まったくわからないままだったが、とにかく彼女に着いて行くしかなかった。
 「あれぇ?いやだ。開かない」
開かない玄関の扉に戸惑う彼女を見て、「当たり前だろ。不法侵入だよこれじゃぁ」そう思いつつ、
「おい、あっちに勝手口があるぜ」
 そう言って俺は東側に当たる方を指差した。河崎浩子は黙ったまま顔を赤くして勝手口へと向かった。
「こっちも鍵がかかってるわ」
 俺はおもむろにその壁に張られているトタンのある場所を探りうまく剥がすと、そこから鍵を取り出し、それを彼女に手渡した。
「これは?」
 彼女は奇妙なものを見るかのような目で俺を見ながらそう言った。
「そこの鍵だけど、どうかしたか?空けないのか?なら俺が」
 渡した鍵を再び手にし鍵穴に差し込んだ。
「ねぇ、どうして鍵の隠し場所を知っているの?」
 不思議な質問に俺は手を止めた。
「どうして?って、なんとなくだけど」
 そう言って鍵を握る手に力を入れた。 
「なんとなくって・・・、普通わからないでしょう?そんなところに鍵があるなんて!!」
 それは鍵が開くと同時だった。「そうだよな。何で知ってるんだ?」モヤモヤした何かが俺を包み込んだ。けれど、なぜだか自分の家の鍵を開ける・・・いや、誰かがそうしていた。そんな気分になったのは確かっだった。
「考えてても仕方ない。入るわよ」
 そう言って河崎浩子は扉を開け俺の肩を叩くと、中に入っていった。
「おい、ちょっと待て」
 俺は納得いかない頭のまま、彼女の後を追って中に入った。

 「うわぁ、ホコリくせー」
 そう言いながら辺りを見回しながらゆっくりと進んでいくと、ある部屋の真ん中で河崎浩子がゆっくりと部屋中を見回していた。
「どうかしたのか?」
 声をかけると彼女はゆっくりこちらを向き、
「ここが、あなたのお父様が殺された部屋だわ、きっと」
「え?っちょっと待って。それって、もしかしてここ、この間君が言ってた未解決の殺人事件の現場?」

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つづく・・・。

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