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無題⑤

久しぶりに続きだベ~~~
当初の計画から大きく外れ、かなり手を加えてしまった・・・。
これじゃーいつまでも終わんね~。

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 胸にポッカリと穴が開いたような気分だった。
「学校ってこんなにつまらないものだったのだろうか?」
 初めて感じた疑問だった。俺がローカ側から二列目の後ろから二人目。輝が窓側から三列目の前から二人目。放課の時間になるといつも輝のほうから駆け寄って来てくれたっけ。
 そんなことばかり考えながら、いつの間にか六時間目の授業が終わっていた。バッグに教科書を入れていると、何人もの男子生徒が俺の肩を叩き「じゃーな」と次々に声をかける。
「おう。またな」
 いつのものように軽やかに返事しながら帰り支度をしていた。ふと視線を感じ顔を上げると、教室の前の入り口の外に立つ河崎浩子を見つけた。彼女は上を指差し無言で俺を誘いその場から消えた。行き先はわかっている。屋上だ。少し時間を置いて、俺は屋上へと向かった。
 「遅かったわね」
 それが開口一番、河崎浩子のセリフだった。一番の連れがいなくなって傷心する俺の心を彼女の言葉は逆なでたが、そんなことはお構いなしだった。
「私の父が追っている事件でね、当時いっしょに住んでいたらしい男の子がいなくなっているの。と言っても、それは男の子が一緒に住んでいたって言う一部の住民の目撃証言だけしかなく、知らない住民がほとんどで、その子が一体誰なのか、殺された男とどういう関係だったのか本当にいたのか、まったくわからないの。当然すぐに戸籍も調べたけれど、男は五年くらい前に結婚はしたけれど一年くらいで離婚していて子供はなかったみたい。ただ結婚していたことすら近所の方たちは知らなかったみたいだから、本当にその男の子がそこで暮らしていたのかそれすら疑問視されてるぐらいよ」
 背を向けたまま黙って聞いている俺に、彼女は更に早口で話し続けた。
「当然父はその離婚した女の家にも行っているわ。けどそこには彼女と生後間もない女の赤ちゃんがいただけ。その赤ちゃんの父親は未だ明らかにされていないけれど、DNA鑑定ではその殺された男とは無関係。ただね・・・」
 そう言ったまま、河崎浩子は口をつぐんだ。それっきりなかなか口を開かない彼女が気になりそっと振り向くと、それを待っていたかのように彼女は口元を緩ませ、瞳を輝かせた。その目が合った瞬間「してやられた」と俺は思った。
「なぜかその女にはいつの間にか子供がもうひとり増えていた。不思議なことにその女の子よりも歳の大きい男の子が・・・」
 彼女は一体何を言いたいのか。俺は疲れた脳みそに酸素を送るべく、大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐いた。
「ねえ、あなたは一体どこから来たの?」
「はぁ?」
 突然の質問に少し身体が硬直した。そこへ言葉の刃が突き刺さる。
「いつから日暮家の家族の一員となったの?」
 衝撃が全身を貫いた。それは触れられたくない部分。俺は眉間にしわを寄せ、奥歯を噛み締め目を閉じた。一体、何が言いたいのだ?何を知りたいのだ?俺の口から出る言葉に何を期待しているんだ?そして俺は、彼女に何を期待していたんだ?
「その殺された男の元妻ね、日暮 時子って言うの。そう、あなたの義母様と同じ名前・・・」
 俺は閉じていた目を開き眉をひそめ、淡々とした口調でそう言った河崎浩子にそっと目を送ると、彼女の眼光は鋭く何の疑念さえ抱かせてはくれなかった。
「ち、っちょっと待て。君の親父さんが追っている殺人事件の殺された男の元妻が、俺の義母さん?」
 にわかには信じられない。荒くなってゆく呼吸と混乱する頭を整理したくて、言葉として理解できたことを復唱してみた。
「そういうこと」
 軽い返事にムッとした俺は、
「そんな話、聞いたことがない・・・」と反論すると
「当たり前じゃない。そんなことをわざわざ話す母親がいるわけないでしょ」と言う答えが返ってきた。確かにその通りだ。少し間をおいて気を落ちつかせると、もうひとつ不安要素が湧いて出た。
「敏子は、知っているのか?」
 その問いに首を横に振る彼女を見て、俺は少し安心した。

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つづきへGO!!

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