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無題③

実は目の前にある原稿、
この辺りからしばらく、話のつじつまを合わせるためだけの薄っぺらな内容になってるんだよなぁ~(汗)
そう来るか?プップップーッって感じに・・・。
悩む気なかったんだけど・・・。
そのまま載せちゃえばいいだけなんだけど・・・。
ううう・・・。

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「えっ、ええ ――― ごめん、今日はやめておくわ」
その言葉に驚きと戸惑いを感じながらも
「あ、そう」
 とそっけなく返してみた。何だかとても残念な気がしたが、その場は素直に立ち去ることにした。
「それじゃぁ俺、部活あるから」
 彼女に背を向け足を一歩踏み出したとき、
「あ、やっぱり、ちょっと待って!」
 そう言って制服の裾を握られ、俺はドキッとし立ち止まった。心の中が期待でいっぱいになる。ニヤつく顔を必死でこらえできるだけ平静に、平静に ―――。
「ん?」
 俺はゆっくり振り向き、河崎浩子と向かい合った。胸が高鳴り体中が脈打った。心臓の音で彼女の声が聞こえなくなるんじゃないかと心配すらした。
「仁君」
 しかし次の言葉で俺の高鳴る鼓動は一瞬にして消えていった。
「失礼でなかったら、あなたの家族構成と、生い立ちを聞かせて欲しいの」
「はぁ?」
「実は、私の父は刑事で、十数年前のある事件を追ってるんだけど、もうすぐ時効になっちゃうの」
「はぁ!?」
 俺は裏切られた期待と、河崎浩子の突拍子もない言葉に、倦怠感を感じ首をうな垂れた。
「ねぇ、俺、部活行っていい?」
「どこをどう探してもないのよ。あなたの過去が」
 背中にかけられた言葉に荒立ちを感じた。なぜ俺ですら考えようとしなかった過去を、こいつは勝手に調べようとしてるんだ?俺は今の家族でとても幸せだし、十分満足している。今更俺の過去の話を持ち出してどうしたいんだ?
「お前には関係ないだろ」
 彼女に背を向けたまま苛立つ気持ちを抑えるように静かにそう言って、俺は足早にその場から立ち去った。

 

――― どこをどう探してもないのよ。あなたの過去が ――― 
「畜生!集中できねぇ!!」
 俺は上がらないタイムに対する苛立ちを、河崎浩子の言葉の所為にして水面を叩きつけた。
「苛立ってるなぁ。今のお前となら勝てそうな気がする」
 輝がそう言って俺の前を横切って泳いでいった。俺はムッとして輝を追った。プールサイドに上がると目の前に輝が真顔で立っていた。
「勝負だ!!」
 俺は苛立つ気持ちをぶつけるようにそう言い放った。
「望むところだ」
 百メートル自由形。練習中の部員にはプールサイドに上がってもらった。入部してからずっと、いや、それ以前から俺は輝に負けたことがない。と言うか、圧勝だった。それが、昨年の夏からメキメキとタイムを上げはじめ、その差は縮まるばかり。それでもまだ腕一本分の差はある。結果は明らかなはずなのに、なぜ、あんな挑発に乗ったのか。自分でも分からなかった。
 「位置について」
 レーンをひとつ空けてそれぞれスタート台に立った。
「用意」
 身体をぐうっと折りたたむと、「ピィッ」とスタートの笛が鳴り響びく。得意なスタート。完璧なバサロ。百メートルを集中して泳ぎきった。
「ぱぁっ」
 水中から顔を出し「どうだ!?」とばかりに輝を見ると、息を切らしている俺とは対照的に、涼しい顔で笑みを漏らしこちらを見る輝がいた。
「お前、泳いでないじゃ・・・」
 そこまで言いかけたところで、タイムを計ってくれていたマネジャーが大騒ぎしながら走ってきた。
「新記録よ、新記録!しかも、今度の大会記録とタイ記録!!」
 その言葉に、部員全員が集まり大騒ぎとなった。その中で一緒にはしゃぐ輝を見て俺は、「してやられた」と思った。また助けられたのだ。俺はとても暖かな気持ちになっていた。
「ありがとう」
 そう呟き俺は、みんなと一緒になってはしゃいだ。そうさ、俺は日暮仁。義母と義妹との三人で仲良くやっていくんだ。これからもずっと―――。しかし、その思いは叶わなかった。俺の中で、何かを知っているもう一人の俺と、その俺を探す河崎浩子がそうさせてはくれなかったのだ。

         なんだか続いちゃってます(汗)

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続き

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